理事長挨拶(2022年度)
日本公衆衛生看護学会は2012年7月に設立され、2015年4月には法人格を取得して一般社団法人となり、2021年度には10周年を迎えて会員数も2千人規模に成長しました。理事長は、初代が佐伯和子先生(2012-2015年度)、次いで麻原きよみ先生(2016-2021年度)が担われ、2022年度からの法人化第5期を岡本が務めることになりました。
温暖化による気候変動、新興感染症によるパンデミック、国家間の軍事侵攻や紛争など、現代は、影響が地球規模に及ぶ事象が人々の命を脅かしている時代です。このような時だからこそ、私たち公衆衛生看護に関わる専門家は、誰一人取り残されない(No one will be left behind)という上位目標に立ち返り、自分たち自身を整え、協力して歩みを進める力を高めていく必要があると思います。
そこで今期の学会活動のモットーを「すべての人に健康を!に向けた私たちの変革と継承(Transformation and Continuity in Public Health Nursing toward Health for All!)」とし、公衆衛生看護の確実な学術的発展に基づく実践・教育・研究の質向上に励みたいと考えます。これによって、本学会が社会に対して果たすべき公衆衛生看護の方向性と構想を示したグランドデザイン2035の達成をめざして参ります。
2年間の活動方針は次のとおりです。
〔活動方針(法人化第5期)〕
1)公衆衛生看護のグランドデザイン~2035年に向けて~のブラッシュアップと活動の見える化
2)公衆衛生看護学の体系に基づく実践ガイドラインの開発とエビデンスに基づく活動の実装
3)専門家認証制度の始動と体制整備、実践・教育・研究の連動
4)ポストコロナ・新時代の学術活動の推進(DX化、グローバル化、ハイブリッド化)
5)会員の定着と拡大に向けた魅力ある学会活動への継続的質改善
6)社会に向けた学会としての提言・声明
公衆衛生看護の学術的発展と、実践・教育・研究の向上と推進のために、皆様には、引き続きお力添え、ならびに活発な交流をどうぞよろしくお願い申し上げます。
2022年6月
一般社団法人日本公衆衛生看護学会
理事長 岡本 玲子