一般社団法人日本公衆衛生看護学会

研究なう

 エビデンスのある実践・研究のために文献を読みたい。でも忙しくて読めない、ましてや英語論文となればなお労力がかかって読めない…そんなあなたへ。
 本学会では、学会員を対象として、海外学術雑誌からピックアップした公衆衛生看護に役立つ情報を日本語で紹介する「研究なう」を、毎月1日にメールでお届けしています。
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広報委員会

・文献の活用については、保健師サプリ第6回 使える「知恵」がそこにある~ブンケン、活用してますか?~の記事もご参照ください。

 

配信例(研究なう 53号 2019年11月配信 より抜粋)

※毎号、4~5例の学術記事を掲載しています。配信例として、一部を抜粋してご紹介します。
※これまでの配信号は、「研究なうアーカイブ(会員専用ページ)」でご覧いただけます。

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・立ち退きの危機に直面した世帯の約半数に自殺リスク!
・米の低所得世帯への栄養改善アプローチ 地域・公衆衛生看護師も立ち上がろう!
・自動運転車のもたらす良い影響、悪い影響とは?
・社会的養護の子供への保健師の関わり、子供の健康ニーズとは?
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住宅からの立ち退きと自殺リスクの関係

失業などで住宅ローンの返済が滞ると最悪の場合、住宅の差し押さえと立ち退きという結果になります。2008年のリーマンショックから始まり世界に広がった金融危機では各国で多くの人が家を失い、その結果、メンタルヘルスに影響が出て、自殺も増えたことが報告されています。スペインは欧州の中で金融危機の影響を最も受けた国の一つで、それまでに政府が雇用の安定を弱める政策を取ってきたこともあり、多くの世帯が貧困に陥りました。同国の研究チームが行った研究は、同国グラナダで立ち退きの危機に直面した205世帯を対象に、自殺リスクを左右する要因について調べたものです。支援団体が定期的に開いた会合に出席(2013-2014年)した人たちに参加を呼びかけ、個別面接調査を行いました。自殺のリスクはMINI精神疾患簡易構造化面接法を使って測り、①リスクあり(低度、中度、高度のリスク)と②リスクなしに分けたところ、自殺リスクがなかったのは53.3%、何らかのリスクがあったのは46.6%でこのうち最も多かったのは「高リスク」(全体の17.9%)でした。世帯の6割以上は未成年の子どもがおり、障がい者がいる世帯も4割にのぼっています。自殺リスクのある世帯では、立ち退きの危機が始まってから2年以上が経過している(p<.001)、またはローン返済を求める銀行が電話などで強圧的な態度をとる(p<.05)場合が多いこともわかりました。また、親族や友人、行政などからのサポートも重要な役割を果たし、特に女性ではサポートが少ないと感じる人は自殺リスクが高い傾向が見られました(p<.001)。

Mateo-Rodríguez, I., Miccoli, L., Daponte-Codina, A., Bolívar-Muñoz, J., Escudero-Espinosa, C., Fernández-Santaella, M. C., … Bernal-Solano, M. (2019). Risk of suicide in households threatened with eviction: the role of banks and social support. BMC Public Health, 19(1), 1250.
https://doi.org/10.1186/s12889-019-7548-9
オープンアクセス
(以下略)

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