一般社団法人日本公衆衛生看護学会

第5回 日本公衆衛生看護学会で研究倫理審査を受けることができます。

最近、保健師活動の現場で「倫理」という言葉に触れる機会が多くなりました。看護倫理に研究倫理、倫理的視点などです。今回は、保健師活動をまとめて発表する際の倫理審査についてお伝えします。

研究の倫理審査が必要だと聞きますが、何のために必要なのでしょうか?
地域や職場の活動で「この方法がいいと思うけど本当にそうかな?」「こんな傾向があるような気がするけど私だけ…?」と思うことはありませんか?そんな時、研究をすると科学的な根拠が得られて、知恵や経験を形にして伝えていくことができますね。
でも、公衆衛生看護活動では、研究の対象は物ではなく「人間」であることが多いのではないでしょうか。そのため、研究対象者の個人情報やプライバシーを守ったり、尊厳や人権を尊重する「倫理的配慮」が必要です。そのような倫理的配慮をしながら研究できるかどうか、客観的に確認してくれるのが「研究倫理審査」です。自分ではできていると思っていても、不足している部分もあるものです。審査ではアドバイスももらえるので、安心して研究がすすめられますよ。
具体的にはどのような配慮が必要ですか?
研究の対象者にかかる負担やリスクを想定して、それをできるだけ最小限に抑えるために、調査などにかかる時間や場所の選定、個人が特定できない調査用紙などの配慮が必要です。また、研究参加や協力は、対象者の自由意志によって実施することや、拒否や中断も可能であることを十分に説明し、研究によって得られたデータの保管も厳重に行うことを約束する必要があります。
倫理審査委員会で承認を得たいのですが、職場にはありません。どうしたら良いですか?
日本公衆衛生看護学会では、倫理審査委員会があり研究倫理審査を実施しています。会員であれば申請できます。ただし、学会員が主たる研究者であり、学会員が所属する機関に研究倫理審査委員会がない場合等、やむを得ない理由で研究倫理審査を受けることができない場合に限られています。共同研究者の所属に倫理審査委員会がある場合は、そちらで審査を受けていただくことになっていますので、ご注意くださいね。
倫理審査の申請をしようと思いますが、いつ頃までに申請書を作成すると良いでしょうか?
研究を開始する前、少なくとも3か月前には申請書を提出されることをお勧めします。本学会の倫理審査は、申請書の申請受付日から2か月以内に審査結果をお返しすることになっています。しかし、「条件付き承認」の場合は、倫理委員会の指摘事項にそって、申請書や研究計画書を修正し再提出をして頂いています。これまでの審査状況をみますと、最終的に承認されるまでに、およそ3か月位の期間を要しています。つまり、研究開始の時期の3か月前には、倫理申請書を学会事務支局に送付できるように研究の計画を立てられると良いかと思います。
倫理審査申請様式はどこに提示されていますか?どのような提出書類がありますか?
日本公衆衛生看護学会のホームページhttps://japhn.jp/のトップページの「研究倫理審査申請」をクリックしてください。申請書、チェックリスト、添付文書と見本例も掲載しています。これらを参考にして倫理審査を申請して、研究が倫理的な配慮のもとに実施されることを承認してもらい、公衆衛生看護の発展のために、現場の活動を発表してください。学会として応援しております。
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