一般社団法人日本公衆衛生看護学会

第9回学術集会

テーマ

「公衆衛生看護の責任と実践
~誰も取り残されない『社会的包摂』の実現をめざして~」

会期

2020年12月25日~2021年1月24日(ライブ配信1月9日、10日)

開催方法

オンライン開催

会 長

大木 幸子(杏林大学 保健学部看護学科)

副会長

河西 あかね(東京都保健政策部/全国保健師長会)

ホームページ

http://japhn9.yupia.net/

ポスター

こちらよりダウンロード可能です。

優秀演題賞

審査結果

開催に向けてのメッセージ

 本学術集会では、今だからこそ、歴史が語るメッセージから、格差と排除が進行する今の時代にある私たちが堅持すべき責任を照射し、未来を切り開く公衆衛生看護の実践を語り合いたいと願っています。そのためにも、歴史をもう一度見直し、私たちが見落としてはならない社会的視座を検証すること、そして取り残されようとしている人々を見出し支えるための活動実践や技術について、保健師の先達の実践や研究成果、他の学問領域の知見、さらにNPO/NGOなど市民社会の取り組みなど、多様な立場にある人々の経験と知見を共有し語り合うことは、その手掛かりになると考えます。
本来は、2021年1月9日(土)~10日(日)の2日間、東京の地で、公衆衛生看護に関心を寄せる全国の皆さんと対面して意見交換を深めたいと考えていました。しかし、まだまだ、新型コロナウイルス感染症の次の流行に備えるべき時であることから、本学術集会もオンラインで開催することといたしました。直接に対面できないことは、大変残念です。しかし、オンライン開催だからこそ、参加できる方々へと議論の輪を広げていける機会であるとも考えています。開催期間を延長し、ITに慣れない方にとっても、参加しやすい環境づくりを努力したいと思っております。皆様のご参加を心からお待ちしています。

開催報告

 2020年12月25日~2021年1月24日の会期でオンラインにて、「公衆衛生看護の責任と実践~誰も取り残されない『社会的包摂』の実現をめざして~」をメインテーマに、会長を大木幸子がさせていただき、河西あかね副会長とともに、事務局、企画委員メンバーの中で試行錯誤を繰り返しながら、開催をいたしまし。初めてのオンライン開催でしたが、全国から約1,300名のご参加をいただき、盛会のうちに終えることができました。参加者の皆様、協賛各社・団体、ご協力いただいた全ての皆様に深く感謝申し上げます。
 メインプログラムは、オンラインではありましたが、1月9日、10日にはライブでの意見交換会を設定し、会長講演「公衆衛生看護の責任と実践~誰も取り残されない『社会的包摂』の実現をめざして~」、基調講演「戦後のハンセン病行政から保健師活動を照射する~公衆衛生看護の責任と実践を踏まえて~」をはじめ、3つの教育講演「考えることを手放さないために ――ハンナ・アーレントと私たちの今」、「水俣(MINAMATA)の歴史に学ぶ公衆衛生の役割と責任」、「コミュニティと協働し、実践を育むアクションリサーチ」、シンポジウム、パネルディスカッション、公衆衛生看護技術セミナー、特別セミナーをとおして、公共性、社会的排除といった主題とともに、DVと児童虐待や災害対策、介護者支援など実践技術についても、ディスカッションが行われました。特に、ライブ配信で行われた新型コロナウイルス感染症対策についての現場からの報告は、保健師の高い専門性を確認するとともに、発生対応に忙殺される現場のジレンマが語られ、多くの参加者の心に残る報告でした。
 また一般演題発表は、東京都区内の保健所をはじめとして保健福祉行政機関から多くの報告を頂き、掲示板機能による質疑応答も活発に行われました。ワークショップにおいてもweb会議システムやチャットツールを活用した交流と意見交換が行われました。
 オンライン開催では、パソコン等の端末を前に一人で参加することになるために、他の参加者との交流に限界がありますが、自由にコメントの書き込みができる掲示板は、他の参加者の声を聴くツールとなり、非常に好評でした。
 初めてづくの開催でしたが、事務局、企画委員、運営委託会社のみならず、講師の方々、参加者、理事会の皆様とともに作り上げた学術集会でした。改めて、かかわっていただいた皆様に心からの感謝をお伝えして、開催報告とさせていただきます。
(報告:第9回学術集会会長 大木幸子)

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